C.E〜C次元・Entertainment〜

全てはC次元の世界へ

【やってみる】もし、村上春樹がサウナーで池袋タイムズスパレスタに行ってレポを書いたら

シーサー・ホテルの夢を見る。

 

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僕の中で実際にシーサー・ホテルは存在する。

 

そのシーサー・ホテルのプール・サイドに置かれた

プラスチック製の椅子に寝っころがり、ピナ・コラーダを飲む。

 

そこからは青い海と白い砂浜が遠くに見え、旅行代理店

の沖縄旅行のパンプレットに【本当の自分を探しに行きませんか?】

というありきたりな事しか考えられないコピー・ライターが

書いた文章と一緒に載っている風景がそのままの状態で広がっていた。

 

やれやれ、と思いつつ僕は沖縄の風を感じながら、目を閉じる。

 

「お客様、お客様、大丈夫でしょうか?」

 

気が付くと、僕の目の前にはアロハ・シャツを着た

20代前半だろう女性店員が立っていた。

 

僕はその日、池袋にいた。

 

そして、エレベーターを11階で降り、ロビーに進み、

白いテニス・シューズを脱ぎ、37という靴箱の札を持ち

フロントに向かった。そこまでは覚えている。

 

どうやら、僕はまたシーサー・ホテルの夢を見ていた様だった。

 

女性店員はやれやれと首を振り、

「お客様、この施設は初めてのご利用でございますね?」

と聞いてきたので「そのとおり」と僕は言った。

 

彼女はその施設のシステムを細かく説明してくれた。

 

次回から利用出来る会員証が無料で作れるというので

いささか、面倒であったが、僕は氏名・住所・年齢・職業・

メールアドレスを書き、彼女に渡した。

 

10秒もかからない内に会員証を渡され、

館内着が入ったバッグを渡された。

 

「君は実に手際がいい。今日はサウナに入りに来たんだ。その後に

この下の階で良かったら、一緒にビールを飲まないか?」と僕は聞いた。

 

彼女は周りの同僚の様子を伺いながら、僕に

「あなたって少し変わってるわよ。勤務中にそんな事出来るわけないでしょ?」

と言った。

 

「確かに。でも僕にとってはこれが普通なんだ」と告げ、

改めて彼女に礼を言うと、ロッカー・ルームに向け、歩き始めた。

 

フロント付近では【沖縄フェア】というイベントが行われていた。

 

僕が歩いて行くと、そこにいる店員が頭を下げ通り過ぎて行った。

 

リゾート・ホテルの様な内装と相まって、僕はまるで

どこかの大富豪か石油王にでもなった錯覚に陥っていた。

 

ロッカー・ルームに着くと、僕は丸首の黒いTシャツと

コットン・パンツを脱ぎ、靴下とボクサー・パンツも脱ぎ捨て

全裸になった。荷物も全てロッカーに入れ、鍵をかけた。

 

スパの入り口が開くと、そこは薄暗く心地よい香りがした。

 

軽くかけ湯をすると、僕は、ジャグジータイプの風呂に入った。

気が付くと、プリンスの「パープル・レイン」を口笛で吹いていた。

 

湯を出ると、僕は身体を洗い、顔を洗い、髭を剃り、

髪の毛を洗った。

 

19時近くになり、アウフグースが始まるという30代前半ぐらいの

男性のアナウンスがあったので、僕はフィンランド・ドライ・サウナ

へ移動した。

 

ドアを開けると一気に熱風が僕の身体を包んだ。

かなり温度の高いサウナである事は一瞬で分かった。

 

まるで、砂漠地帯に一人置き去りになった様な気分になった。

 

数分経つと、男性店員がアロマ水を持ち、サウナに入ってきた。

 

僕はタオルを頭からかけ、背中を丸め、その熱波を浴びた。

 

アロマはペパー・ミントの香りだった。

僕は無性にモヒートが飲みたくなった。

 

「以上を持ちまして、19時のアウフグースを終了させていただきます」

男性店員の声と共に拍手が起こった。まるでニューヨークのブロードウェイ

ミュージカルのカーテンコールの様だった。

 

僕は樽の掛け湯(これはサウナ施設としては珍しいモノだった)

をし、16度の水風呂に入った。身体全体が水と一体化していくような

奇妙な感覚を僕は味わっていた。

 

そのまま、外に置いてある、椰子の木を使って作った様な

椅子に座り、足を伸ばした。

 

上を見上げるとそこにはどんよりとした雲が広がり、

残念ながら、池袋の夜空からは星も月も見えなかった。

 

しかし、段々と身体全体が重くなり、僕は宇宙へ旅立った。

サウナ・トランスと呼ばれているが、これを他人に話すと

幾分かの時間がかかるし、何をどう話しても中々理解してもらえない。

 

まるで、いくら掃除をしても

「○○さん、まだここ埃が溜まってますよ」と言ってくる姑と

「お義母様、私は1日、2回もそこを拭いているんですよ」と

いう嫁との攻防みたいに。

 

なので、僕はサウナ・トランスってどんな感じと聞かれた場合は

「セックスで言えば、射精した時の感覚だよ」と答える様にしている。

 

女性に言うと大体やれやれという顔をされるが、

本当にそうなのだから、仕方がない。

 

僕は、またサウナに戻り、2セット繰り返すと

館内着に着替え、下の階に降り、ビールを頼み一気に飲んだ。

 

フロントのあのアロハ・シャツの彼女は来るかなと思っていたが

予想通り来なかった。

 

リクライニングシートに座り、何の意味もないが

テレビを付け、くだらないミュージシャンもどきしか出ていない

音楽番組を観たりしたが、すぐに消して、サウナに戻った。

 

その後、僕は5セットほど繰り返した。

 

21時にはまたアウフグースがあったので、

さっきより一段高い場所でその洗礼を受けた。

 

外気浴をしながら、僕は、ろくでもない仕事の事やら、

この数ヶ月で寝た女の子の数やら、フロントにいた彼女が

どんな形や色のブラジャーを付けているのかやら、この夏は

何で雨ばかりなのかやらを考えていた。

 

そして、ビートルズの「レット・イット・ビー」をハミング

したりした。

 

沖縄の変わり湯も楽しみ、僕は23時30分過ぎにその施設を

出た。フロントのあの彼女はもういなかった。

 

エレベーターを降り、駅に向かい歩き始めた。

また、雨が降り始めていた。

 

僕は今夜もシーサー・ホテルの夢を見るのだろうか。

 

僕は「タイムズ・スパ・レスタ」と言葉を反復し、

その施設を見上げた。いいサウナだった。

 

ありがとう。

 

※サウナ体験を村上春樹風に変えてありますのでご了承下さい。

 

www.timesspa-resta.jp